冬は「皮脂臭」が強くなる季節。
「夏は汗のニオイが気になるけれど、冬は汗をかかないから安心」──そう思っていませんか?
実は、冬こそ皮脂由来のニオイが強くなる季節。寒いのにどうして?と意外に感じる方も多いでしょう。ここでは、その理由とケアのポイントを解説します。
冬に皮脂臭が強まる理由
1. 乾燥で皮脂分泌が増える
空気が乾燥する冬は、肌が水分を失いやすくなります。すると体はバリア機能を守ろうと皮脂を余分に分泌。結果、肌表面には皮脂が多く残り、時間の経過とともに酸化して特有のニオイを発するのです。
2. 汗が少ないことで“洗い流されない”
夏は汗をかくことで皮脂や老廃物が自然に流れ落ちる場面もありますが、冬は汗の分泌が少なく、皮脂や垢が肌表面に留まりやすい状態に。これが酸化・分解されると、いわゆる「皮脂臭」として周囲に漂いやすくなります。
3. 厚着によるムレで酸化が加速
ニットやアウターを重ね着する冬は、脇まわりや背中がムレやすい環境に。温度と湿度が上がることで皮脂の酸化・雑菌の繁殖が進み、ニオイが強調されるのです。
皮脂臭を抑える冬のケア習慣

- やさしい洗浄で毎日リセット
強すぎる洗浄は乾燥を招き、かえって皮脂分泌を増やす原因に。弱酸性や保湿成分入りのボディソープで“落としすぎない洗い方”を意識しましょう。 - 保湿ケアで皮脂バランスを整える
冬の乾燥対策は、ニオイ対策にも直結。化粧水やボディクリームで水分を補うことで、皮脂の過剰分泌を防げます。 - インナーや衣類はこまめに交換
皮脂が繊維に移るとニオイが蓄積されがち。汗をかいていない日でも、インナーは毎日新しいものに替えることが清潔感を保つ秘訣です。 - 食生活の見直しもポイント
揚げ物や肉類など脂質の多い食事は皮脂の酸化を招きやすい傾向に。野菜やビタミンを意識的に摂ることも、体の内側からのケアにつながります。
冬は「汗が少ない=安心」と思いがちですが、実は皮脂の酸化によるニオイが目立つ落とし穴が潜んでいます。乾燥対策と衣類ケアをセットにすれば、冬の皮脂臭はぐっと軽減できます。寒い季節も、清潔感と心地よさをまとって過ごしましょう。
※ご注意 本記事は、生活習慣に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の医療的効果や症状の改善を保証するものではありません。内容のご利用にあたっては、あらかじめご了承ください。
美容皮膚科・美容外科医
1999年東海大学医学部卒業、順天堂大学大学整形外科医局入局。2005年より順天堂大学麻酔科医局入局し、ペインクリニックで整形外科関連の痛みに関する治療を学び、麻酔科標榜医取得。







