ワキガ対策の正しい「脇の洗い方」とは?

ワキガの原因と対策における「洗い方」の重要性
多くの人が「ワキガを防ぎたい」と思い、汗や皮脂をしっかり落とそうと脇の下をゴシゴシ強くこすって洗っているのではないでしょうか? しかし実は、その洗い方がワキガをさらに悪化させる原因になっている可能性があります。ワキガのニオイを抑えるためには、体を洗う際に優しく洗うことが重要です。なぜ優しく洗う必要があるのか、具体的な正しい洗い方についてご紹介します。
ワキガ対策として「脇の下を優しく洗うべき」理由
ワキガのニオイは、アポクリン腺から分泌される汗と、肌の常在菌が関与しています。特に黄色ブドウ球菌や真菌が汗を分解することで、あの独特なニオイが発生します。
つまり、嫌なニオイの原因となる常在菌を適切にケアすることで、ワキガ臭を抑えることができます。そのためには、毎日のお風呂での体の洗い方が非常に重要なポイントのひとつになります。
優しく洗うことで「常在菌のバランス」を整える

ワキガの主な原因となる常在菌は、「黄色ブドウ球菌」と「真菌」です。硬いナイロンタオルやスポンジなどでゴシゴシと強く洗うと、これらの常在菌のバランスを保つ役割を担う「表皮ブドウ球体」が減少し、黄色ブドウ球菌や真菌が増殖しやすくなります。その結果、アポクリン腺から分泌される汗が過剰に分解され、ワキガのニオイがさらに強まってしまいます。
さらに、ゴシゴシ洗いによる摩擦で肌が乾燥し、それを補おうとして皮脂の分泌量が増加。この皮脂は、黄色ブドウ球菌や真菌のエサとなり、常在菌の増殖を加速させ、ニオイをより一層悪化させる原因に。
そのため、体を洗う際はできるだけ優しく洗うことが大切です。硬いナイロンタオルやスポンジなどで洗うのは避け、モコモコの泡を使って肌の表面をなでるように洗う方法を心がけましょう。
また、ボディソープのすすぎ残しも常在菌のエサとなりニオイを悪化させる要因になりますので、体を洗った後はシャワーでしっかりと洗い流し、すすぎ残しを防ぐことも忘れないようにしましょう。
毎日の入浴での少しの工夫が、嫌なニオイを防ぐ大きな一歩です。正しい洗い方を習慣化して、快適な日々を送りましょう!


美容皮膚科・美容外科医
1999年東海大学医学部卒業、順天堂大学大学整形外科医局入局。2005年より順天堂大学麻酔科医局入局し、ペインクリニックで整形外科関連の痛みに関する治療を学び、麻酔科標榜医取得。