ワキガに悩む人の男女比は?女性に相談者が多い理由
「ワキガは男性の方が多い気がする」「女性特有のものだと思っていた」など、ワキガと性別の関係について疑問を抱く方は少なくありません。実際のところ、男女比はどうなっているのでしょうか。
ワキガの発症率(体質を持つ人の割合)に、男女差はありません1:1です。
しかし、クリニックに相談に訪れる方や、深く悩んでいる方の割合を見ると、女性の方が圧倒的に多いという傾向があります。
ワキガ体質になる確率に「男女差」はありません
ワキガの根本的な原因である「アポクリン汗腺」の数は、遺伝によって生まれつき決まっています。
親から子へこの体質が受け継がれる確率に性別は関係ありません。そのため、医学的な観点から見た発症割合は、男性も女性も「1対1」で同率です。「男性だからワキガになりやすい」「女性だからなりにくい」といった、性別による根本的な偏りはありません。
なぜ「女性」の方がワキガに悩む傾向が強いのか?
発症率は同じであるにもかかわらず、実際にニオイに悩み、対策を調べたりクリニックを受診したりする方の男女比は、女性の方が多くなる傾向にあります。これには、以下の3つの理由が関係しています。
1. 女性特有の「ホルモンバランス」の変動
アポクリン汗腺は、性ホルモンの影響を強く受けて活動します。
女性は、毎月の生理周期をはじめ、妊娠、出産、更年期など、ライフステージにおいてホルモンバランスが大きく変動する機会が男性よりも多くあります。このホルモンの変化によってアポクリン汗腺が一時的に強く刺激され、ニオイが強くなる時期があるため、自身の体質の変化に気づきやすく、悩みやすくなります。
2. ニオイに対する「敏感さ」と美意識の高さ
一般的に、女性は男性よりも嗅覚が敏感であると言われています。
また、身だしなみやエチケットに対する意識が高い傾向にあるため、自身のわずかなニオイの変化にも敏感に反応します。「周囲に不快な思いをさせていないか」「嫌われてしまうのではないか」と、精神的に深く悩んでしまうケースが多いのが特徴です。
3. ファッション(衣類)による影響
女性のファッションは、ノースリーブや薄手のシャツなど、脇の部分が直接肌に触れたり、露出したりするデザインのものが多くあります。
アポクリン汗腺から出る汗には色素成分(リポフスチン)が含まれており、衣服の脇部分に「黄ばみ」を作りやすい特徴があります。お気に入りの白い衣服が黄ばんでしまうのを直接目にする機会が多いため、視覚的にもワキガ体質を自覚しやすいという背景があります。
男性も決して油断はできません

女性の方が悩む割合が高いとはいえ、男性のニオイが弱いというわけではありません。
男性は女性に比べて、全身にある「エクリン汗腺(水分を出す汗腺)」の働きが活発で、皮脂の分泌量も多い傾向にあります。そのため、ワキガのニオイに強烈な汗臭さや皮脂のニオイが混ざり合い、より強い不快臭を放っているケースがあります。男性の場合、自分ではニオイに気づかず、配偶者やパートナーなどご家族に指摘されて初めて自覚するパターンが非常に多いです。
性別に関わらず、正しいケアが解決への第一歩です
ワキガの発症割合に男女差はなく、誰もが等しく持つ可能性のある「遺伝的な体質」です。女性に悩む人が多いのは、ホルモンバランスの変動や美意識の高さといった、後天的な要因や環境によるものです。
性別に関わらず、自分の体質を正しく理解し、脇を清潔に保つなど、適切なケアを習慣化することでニオイは十分にコントロール可能です。「自分だけがおかしいのではないか」と思い悩む必要はありません。まずはご自身に合った正しい対策を始めていきましょう。
※ご注意 本記事は、生活習慣に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の医療的効果や症状の改善を保証するものではありません。内容のご利用にあたっては、あらかじめご了承ください。
美容皮膚科・美容外科医
1999年東海大学医学部卒業、順天堂大学大学整形外科医局入局。2005年より順天堂大学麻酔科医局入局し、ペインクリニックで整形外科関連の痛みに関する治療を学び、麻酔科標榜医取得。










