脇の自己処理後、ニオイを強めない保湿ケア
ワキガが気になる人の多くが、脇毛をこまめに処理しています。毛がないほうが汗やニオイがこもりにくいと考えるのは自然なことです。しかし実は、処理の「後」のケアが不十分だと、肌が荒れて制汗剤がしみたり、かゆみが出たりして、ニオイ対策を続けにくくなることがあります。自己処理後の肌をいたわる保湿ケアを、時間の流れに沿って整理します。
自己処理が脇の肌に与えるダメージ
脇毛の処理方法は人それぞれですが、どの方法にも肌への負担があります。まずは処理方法ごとの特徴を知っておきましょう。
カミソリ/角層を一緒に削ってしまう
カミソリは手軽ですが、刃が肌の表面をなでるため、毛と一緒に角層の一部も削ってしまいます。角層は肌の水分を守り、外からの刺激を防ぐ役割を担う部分です。目には見えなくても、剃ったあとの肌はバリア機能が一時的に弱まった状態だと考えておきましょう。刃が古い、乾いた肌に直接当てる、何度も往復させる、といった使い方は、負担をさらに大きくしてしまいます。
毛抜き/毛穴まわりに負担がかかる
毛抜きは毛を根元から抜くため、きれいな状態が長持ちしやすい方法です。一方で、毛を引き抜くときに毛穴やそのまわりの組織に負担がかかります。処理後に毛穴が赤くポツポツしたり、埋没毛ができたりすることがあるのはこのためです。
除毛クリーム/成分による刺激
除毛クリームは、薬剤で毛を溶かして取り除くしくみです。毛を溶かす成分は肌にとっても刺激になりやすく、放置時間が長すぎたり、肌が弱っているときに使ったりすると、赤みやヒリつきの原因になることがあります。
処理後の肌荒れとニオイの関係

処理後の肌荒れは、見た目の問題だけでなく、ワキガ対策にも影響します。
小さな傷や炎症が残りやすい
処理後の脇には、目に見えないほどの小さな傷や軽い炎症が残っていることがあります。脇は汗をかきやすく、腕を動かすたびにこすれる場所です。傷に汗や摩擦が加わると、赤みやかゆみが長引きやすくなります。
荒れた肌では制汗剤が使いにくくなる
肌が荒れていると、制汗剤やデオドラント剤がしみやすくなります。「痛いから今日は塗らない」という日が増えると、ニオイ対策が途切れてしまい、かえってニオイが気になる時間が長くなることもあります。
摩擦と炎症のくり返しは黒ずみの一因にも
処理による刺激と、その後の摩擦や炎症をくり返すと、脇の黒ずみが気になってくることがあります。ニオイと見た目の両方に悩みを抱えないためにも、処理後の肌をいたわることが大切です。
処理直後に制汗剤を塗らないほうがよい理由
処理したあとは、すぐに制汗剤を塗りたくなるかもしれません。けれども、処理直後の肌は角層が乱れ、小さな傷ができている可能性があります。そこに収れん作用のある制汗成分やアルコール、香料などがふれると、しみたりヒリついたりしやすくなります。
製品の注意書きにも、「傷やはれもの、湿疹などがある部位には使用しないこと」といった記載が見られます。処理直後の肌はこうした状態に近いことがあるため、処理と制汗剤の使用は時間をあけるのが安心です。
そのためおすすめなのが、ムダ毛処理は夜に行い、制汗剤は翌日以降、肌が落ち着いてから使うという流れです。翌日の予定に合わせて、処理するタイミングを前もって決めておくとよいでしょう。
処理当日〜翌日の保湿ケア手順

ここでは、夜の入浴時にカミソリで処理するケースを例に、処理当日から翌日までの流れを紹介します。
STEP1 処理前に肌をやわらかくする
入浴して脇の肌と毛を温め、やわらかくしてから処理します。乾いた肌に刃を当てると、角層を削る負担が大きくなるためです。シェービング用のジェルやフォームを使い、肌の上で刃がなめらかにすべる状態をつくりましょう。
STEP2 毛の流れに沿って、少ない回数で剃る
毛の流れに逆らって剃ると深剃りはできますが、肌への負担が増えます。毛の流れに沿って、同じ場所を何度も往復させないように意識しましょう。刃は切れ味が落ちる前にこまめに交換することも、肌を守るポイントです。
STEP3 ぬるま湯でやさしく流し、押さえるように拭く
処理が終わったら、ジェルや剃った毛をぬるま湯で洗い流します。熱いお湯は乾燥を進めやすいため避けましょう。タオルは肌にこすりつけず、軽く押し当てて水気を吸わせます。
STEP4 低刺激の保湿剤を薄くなじませる
肌のほてりが落ち着いたら、無香料・アルコールフリーなど刺激の少ない保湿剤を薄く塗ります。処理後の肌は水分が逃げやすいため、保湿で角層を補うことが目的です。べたつきが残らない程度の量にとどめ、手のひらでやさしく押さえるようになじませましょう。
STEP5 翌朝、肌の状態を確認してから制汗剤を使う
翌朝、赤みやヒリつきがないかを確認します。問題がなければ、肌が乾いた状態で制汗剤やデオドラント剤を使いましょう。少しでもしみる感じがある場合は、その日は低刺激タイプにするか、使用を控えて保湿を優先するのがおすすめです。
よくある疑問Q&A

Q. 処理後にかゆみやブツブツが出たときは、どうすればいいですか?
A. 掻かずに、低刺激の保湿剤で肌をいたわりましょう。症状が数日たっても引かない、膿をもっている、痛みが強いといった場合は、皮膚科に相談することをおすすめします。
Q. 処理直後でもデオドラントシートなら使っていいですか?
A. シートの中にはアルコールや香料を含むものもあり、処理直後の肌にはしみることがあります。処理当日はできるだけ避け、どうしても使う場合はノンアルコール・無香料のものを選びましょう。
Q. 電気シェーバーなら保湿は必要ありませんか?
A. 電気シェーバーは、刃が直接肌に当たりにくい構造のため、カミソリと比べて肌への負担は少ないとされています。それでも摩擦による刺激はあるため、処理後に薄く保湿しておくと安心です。
まとめ
脇の自己処理は、ワキガ対策の一環として続けている人が多いケアです。だからこそ、処理後の肌をいたわる保湿までをひとつの流れとして考えることが大切です。
「処理は夜に」「処理後は低刺激の保湿剤で整える」「制汗剤は肌が落ち着いてから」の3つを意識。次の処理のタイミングを、予定に合わせて前もって決めておくところから始めてみましょう。
※ご注意 本記事は、生活習慣に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の医療的効果や症状の改善を保証するものではありません。内容のご利用にあたっては、あらかじめご了承ください。
美容皮膚科・美容外科医
1999年東海大学医学部卒業、順天堂大学大学整形外科医局入局。2005年より順天堂大学麻酔科医局入局し、ペインクリニックで整形外科関連の痛みに関する治療を学び、麻酔科標榜医取得。









