ワキガのお悩み相談室
誰にも言えないワキガ(腋臭症)の悩み。 「私だけかもしれない」と抱え込んでいるその辛さは、決してあなた一人のものではありません。 ここでは、実際に寄せられたリアルなお悩みと、それに対する実用的なアドバイスをご紹介します。
目次
- Q1. 職場で隣の人が鼻をすすると「私のせい?」とパニックになります(20代・会社員)
- Q2. 彼氏とくっつくのが怖く、お泊まりデートはトイレでケアばかり…(30代・専門職)
- Q3. 白い服は黄ばむし、洗っても服からニオイが取れません(20代・アパレル)
- Q4. 自分のニオイが気になりすぎて、人の笑い声が怖いです(40代・事務職)
- Q5. 幼い娘への遺伝が不安で、耳垢ばかり確認してしまいます(30代・主婦)
- Q6. 夏より「冬の暖房が効いたオフィス」が地獄です(20代・IT関係)
- Q7. 香水でごまかそうとして、悪臭になってしまいます(20代・接客業)
- Q8. ヨガやジムに行きたいけれど、腕を上げるのが無理です(30代・会社員)
- Q9. お肉が好きです。「食事のせい」と自分を責めてしまいます(40代・自営業)
- Q10. 生理前になるとニオイが強くなる気がして落ち込みます(20代・美容部員)
- Q11.腕を上げるのが怖くて、エステや脱毛に行けません(20代・会社員)
- Q12.出産後、急に自分のワキのニオイがキツくなりました(30代・育休中)
- Q13.電車でつり革を持てず、いつもワキを固く閉じています(20代・学生)
- Q14.朝起きた瞬間からパジャマが臭っていて、1日のやる気が消え失せます(20代・学生)
Q1. 職場で隣の人が鼻をすすると「私のせい?」とパニックになります(20代・会社員)

エレベーターや満員電車などの密室が怖く、なるべく人と距離をとってしまいます。職場で隣の席の人が鼻をすするだけで「私のニオイのせいかも」とパニックになり、焦ると余計にジワッと嫌な汗をかいてしまいます。
「ニオイへの不安」が新たな汗を呼ぶ負のループ。まずは、気持ちを整えましょう。
人が鼻をすする音に敏感になる気持ち、痛いほど分かります。実は「臭っているかも」という緊張や強い不安は、交感神経を刺激し、ワキガの原因となる「アポクリン腺」からの発汗(精神性発汗)を促してしまいます。焦れば焦るほどニオイの原因が増えてしまいます。まずは、焦らず、深呼吸して気持ちを整えることも大事です。
Q2. 彼氏とくっつくのが怖く、お泊まりデートはトイレでケアばかり…(30代・専門職)

彼氏とハグをしたり、腕枕をされたりする時にニオイがバレないかヒヤヒヤします。お泊まりの時は、こっそり何度もトイレで脇を拭いたり制汗剤を塗り直したりして、心から楽しめず疲れてしまいます。
過度な拭き取りは逆効果に。心からのリラックスを。
大好きなパートナーだからこそ、嫌われたくなくて必死にケアをしてしまいますよね。しかし、トイレで何度も脇をゴシゴシ拭くのはNGです。摩擦で肌が傷つくと、ニオイを抑えてくれる善玉菌まで洗い流してしまい、かえって悪玉菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。焦らず適度なケアで、彼との時間をリラックスして楽しんでください。
Q3. 白い服は黄ばむし、洗っても服からニオイが取れません(20代・アパレル)

お気に入りの白い服も、すぐに脇が黄ばむから着られません。ポリエステルの服を着るとニオイがこもって最悪です。洗濯しても、服の脇の部分に染み付いたニオイが取れず悲しくなります。
服の黄ばみ・蓄積臭はアポクリン汗のサイン。衣類ケアと根本の肌ケアの両立を。
着たい服が着られないのは辛いですよね。服の黄ばみは、アポクリン腺から出る汗に含まれる「リポフスチン」という色素や、タンパク質・脂質が酸化することが原因です。ポリエステルなどの化学繊維はニオイを吸着しやすく通気性も悪いため、綿やリネンなど天然素材のインナーを挟むのがおすすめです。 衣類に染み付いたニオイ(蓄積臭)には、洗濯前の「酸素系漂白剤でのつけ置き」が有効です。そして何より、肌の段階で汗と菌をしっかりブロックし、服にニオイの元を移さない根本ケアが、大切なお洋服を守る一番の近道です。
Q4. 自分のニオイが気になりすぎて、人の笑い声が怖いです(40代・事務職)

実際は臭っていない時でも「臭いのではないか」と常に自分の脇を嗅ぐクセがついてしまいました。人が笑い合っていると、「私のニオイを笑っているんだ」と被害妄想に陥ってしまいます。
「自己臭恐怖」は真面目で優しい証拠。正しい知識で、自分を責めるのをやめましょう。
「周りに迷惑をかけているのではないか」と常に気を配るあなたは、とても優しく真面目な方なのだと思います。人間の嗅覚は同じニオイを嗅ぎ続けると麻痺するため、「自分のニオイが分からない」という不安が、過剰な確認行為や被害妄想(自己臭恐怖)を引き起こしてしまいます。 どうかご自身を責めないでください。ワキガは「遺伝的な体質」であり、不潔だから起こるものではありません。正しいケアを取り入れることで自信を取り戻し、人の輪の中で心から笑える日が必ず来ます。
Q5. 幼い娘への遺伝が不安で、耳垢ばかり確認してしまいます(30代・主婦)

私自身が思春期にワキガで深く傷ついた経験があるため、まだ幼い娘に遺伝していないか不安でたまりません。綿棒で耳掃除をするたびに「湿っていないか」と確認しては、もしこの子が将来いじめられたら…と涙が出そうになります。
あなたが経験した「過去の苦しみ」を、娘さんが繰り返す必要はありません。
親としてお子様の未来を案じるお気持ち、痛いほど伝わります。確かにワキガ(アポクリン腺の数や大きさ)は優性遺伝のため、親から子へ引き継がれる可能性は高いです(湿った耳垢もそのサインの一つです)。 しかし、お母様が思春期だった頃と今とでは、ケアの技術が全く違います。今は「手術をしなくても日常的にニオイを防げるケア」や「子供のデリケートな肌にも使える、肌に優しい処方のデオドラント剤」の選択肢が数多くあります。もし将来ニオイが出始めたとしても、「お母さんが良いものを持っているから大丈夫だよ」と笑顔で渡してあげられる準備をしておくこと。それが一番の愛情であり、娘さんを守る盾になります。
Q6. 夏より「冬の暖房が効いたオフィス」が地獄です(20代・IT関係)

汗をかく夏場が一番ひどいと思われがちですが、私にとっては冬が地獄です。厚手のニットやヒートテックを着たまま暖房の効いたオフィスにいると、脇にじっとりと汗をかき、服の中にニオイがこもって逃げ場がなくなります。
冬の「こもり汗」は菌の温床に。ワキガケアは一年を通した習慣が正解です。
実は「冬の方が自分のニオイが気になる」という方は非常に多いのです。冬は夏に比べて汗をかく機会が減るため、汗の濃度が高くなりがちです。さらに、保温性の高いインナーや厚手のセーターは通気性が悪く、脇の下が高温多湿になり、ニオイの原因となる「悪玉菌」が爆発的に繁殖しやすい環境を作ってしまいます。 ワキガの原因であるアポクリン腺は季節を問わず活動しています。「冬だから」と油断せず、通年でしっかりと殺菌・制汗ケアを行うことが、冬の密室での恐怖から抜け出す唯一の道です。
Q7. 香水でごまかそうとして、悪臭になってしまいます(20代・接客業)

自分のニオイを隠したくて、香りの強い柔軟剤を使ったり、香水をつけたりしています。でも、時間が経つと脇のニオイと香水が混ざって、余計に気持ちの悪い悪臭になってしまい、周りに不快な思いをさせていないか怖いです。
「香りでごまかす(マスキング)」には限界があります。まずは無香料でリセットを。
ニオイをニオイで隠そうとするマスキング効果は、ワキガには逆効果になることがほとんどです。アポクリン腺から出る汗は、皮脂やタンパク質を含んでおり、これが皮膚の常在菌に分解されることで独特のニオイを放ちます。この複雑なニオイと人工的な香料が化学反応を起こすと、さらに強い異臭を放つ原因になってしまいます。 香りでごまかそうとする前に、まずは、市販のデオドラントクリームなどでニオイの根本(汗と菌)を抑える対策が大前提です。 ニオイの土台をしっかり整えてから、お好みの香水を心おきなく楽しんでくださいね。
Q8. ヨガやジムに行きたいけれど、腕を上げるのが無理です(30代・会社員)

運動不足解消にヨガスタジオやジムに通いたいのですが、タンクトップやTシャツで思い切り腕を上げるポーズなんて絶対にできません。汗をかくのも怖くて、やりたいことを諦めている自分が嫌になります。
運動の汗とワキガの汗は別物です。正しいケアで、やりたいことを諦めないで。
ニオイのせいで趣味や挑戦を制限してしまうのは、本当に悔しいですよね。しかし、運動でかくサラサラした汗は「エクリン腺」からのもので、これ自体にニオイはありません。むしろ運動をして汗腺を鍛えることは、老廃物を排出し、体全体のニオイを軽減するために非常に良いことです。 そして、運動後は放置せずに濡れタオルや汗拭きシートで優しく汗を拭き取ることです。事前ケアさえしっかりしていれば、気にせず思い切り体を動かせます。
Q9. お肉が好きです。「食事のせい」と自分を責めてしまいます(40代・自営業)

お肉や乳製品が好きなのですが、ネットで「動物性タンパク質や脂質がワキガを悪化させる」と見て、自分の食生活がだらしないからいけないんだと責めてしまいます。ニオイを消すためには、一生お肉を我慢して菜食にならなければいけないのでしょうか。
ワキガは「体質」であり「生活習慣病」ではありません。極端な我慢は不要です。
確かに、動物性脂肪やタンパク質はアポクリン腺を刺激し、ニオイの元となる皮脂の分泌を促す要因にはなります。しかし、ワキガの根本的な原因はあくまで「遺伝的なアポクリン腺の数や大きさ(体質)」です。あなたの食生活がだらしないからワキガになったわけでは決してありませんので、どうかご自身を責めないでください。 過度な食事制限はストレスを生み、そのストレスが交感神経を刺激して余計に汗を増やす原因にもなります。お肉を楽しんだ日は、抗酸化作用のある緑黄色野菜や和食を意識して取り入れる程度のバランスで十分です。
Q10. 生理前になるとニオイが強くなる気がして落ち込みます(20代・美容部員)

普段はケアをしてやり過ごせているのに、生理前になると急にワキガのニオイがキツくなる気がします。気分も落ち込んでいる時期なので、「また臭ってるかも」と自己嫌悪で涙が出て、女性というだけでどうしてこんなに面倒なのかとやりきれない気持ちになります。
ニオイの変化は「女性ホルモン」のしわざ。あなたのせいではありません。
生理前の心身が辛い時期に、ニオイの不安まで重なるのは本当に苦しいですよね。実は「生理前にニオイが強くなる」というのは気のせいではなく、医学的にも根拠のあることです。生理前は「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の分泌が増え、基礎体温が上がって汗をかきやすくなるだけでなく、アポクリン腺そのものを刺激する働きがあるため、一時的にニオイが強くなりやすいのです。 「自分のケアが足りないから」と落ち込む必要は全くありません。「今はそういう時期なんだ」と体のメカニズムを受け入れ、自分を労わるように優しく先回りのケアをしてあげてくださいね。
Q11.腕を上げるのが怖くて、エステや脱毛に行けません(20代・会社員)

ワキの脱毛をしたいし、リラクゼーションサロンにも行きたいのですが、「スタッフさんにニオイを気付かれたらどうしよう」と恥ずかしくて通えません。美容のプロ相手だからこそ、不潔だと思われそうで怖いです。
プロは全く気にしていません。むしろ「脱毛」はニオイ対策の強い味方です。
綺麗になりたいという前向きな気持ちが、ニオイへの不安で妨げられてしまうのはとてももどかしいですよね。でも、エステや脱毛サロンのスタッフは多くのお客様の体に触れるプロフェッショナルです。ワキのニオイや汗の悩みを抱えている人が多いことも十分に理解していますから、恥ずかしがる必要は全くありません。
実は、ワキ毛の処理(脱毛)は、ニオイの原因となる菌の繁殖を防ぎ、清潔な環境を保つために非常に有効な手段です。サロンに行く前のエチケットとして、優しく汗を拭き取り、デオドラント等でケアをしておけば十分です。どうか堂々と、ご自身を磨く時間を楽しんでください。
Q12.出産後、急に自分のワキのニオイがキツくなりました<strong>(30代・育休中)</strong>

以前はそこまで気にならなかったのに、出産してから急にワキのニオイが強くなった気がします。赤ちゃんのお世話で疲れ果てているのに、自分のニオイにもショックを受けて、精神的に参ってしまいそうです。
産後のニオイの変化は「ホルモン」の急激な変動によるものです。
慣れない育児の疲れに加えて、体質の変化まで起こると本当に不安になりますよね。妊娠中から産後にかけては、女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)のバランスが劇的に変化します。このホルモンバランスの乱れがアポクリン腺を刺激し、一時的にニオイが強くなることは、実は多くのママが経験することなのです。
授乳などで寝不足も重なり、ストレスも溜まりやすい時期です。ご自身を絶対に責めないでください。落ち着くまでは「産後の一時的なもの」と割り切り、まずは心と体をゆっくり休めることを最優先にしてください。
Q13.電車でつり革を持てず、いつもワキを固く閉じています(20代・学生)

電車やバスの中で、高い位置にあるつり革につかまることができません。ワキが開いてニオイが漏れるのが怖くて、いつも不自然なほど腕を体にピッタリとくっつけて縮こまっています。
ワキを閉じるほど「ニオイの温床」に。ケアをして、風通しを良くすることが正解です。
ニオイを周囲に漏らしたくない一心でワキを閉じてしまうお気持ち、よく分かります。しかし、ワキを固く閉じたままにすると、ワキの下が高温多湿のサウナ状態になり、ニオイの原因となる「悪玉菌」が最も喜ぶ環境を作ってしまいます。結果的に、より強いニオイを発生させてしまうのです。
ニオイを減らすためには、本来は風通しを良くして乾燥させるのが一番です。朝、しっかりと制汗・殺菌ケアを行ったら、リラックスして風を通すことが、実は一番のニオイ対策に繋がります。
Q14.朝起きた瞬間からパジャマが臭っていて、1日のやる気が消え失せます(20代・学生)

朝、目を覚ました瞬間に自分のワキとパジャマからモワッと嫌なニオイがして、「今日もまたこのニオイと戦うのか」と、朝から絶望的な気持ちになります。
寝ている間もアポクリン腺は活動しています。朝の「リセット習慣」で清々しい1日を。
朝一番に自分のニオイを感じてしまうと、本当に気分が落ち込みますよね。実は、寝ている間もコップ1杯の汗をかくと言われるように、ワキガの原因であるアポクリン腺も夜間に活動しています。さらに布団の中は体温で温められているため、菌が繁殖しやすく、朝起きた時にニオイが強くなっているのは自然なことなのです。
起きたらまずは、濡れタオルや汗拭きシートでワキを優しく拭き取り、夜の間に増えた菌をリセットしましょう。「朝の3分の習慣」が、憂鬱な気分を吹き飛ばし、1日を前向きにスタートさせるスイッチになります。
ここまで読んでくださったあなたの心が、少しでもふっと軽くなっていることを願っています。
ニオイの悩みは、決してあなたのせいではありません。正しい知識と、ご自身に合った適切なケアを選ぶことで、視界は必ず明るくひらけていきます。 ニオイの不安から解放されて、着たい服を着て、大切な人と心から笑い合える。そんな「あなたらしい明日」を、私たちは心から応援しています。
※ご注意 本記事は、生活習慣に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の医療的効果や症状の改善を保証するものではありません。内容のご利用にあたっては、あらかじめご了承ください。
美容皮膚科・美容外科医
1999年東海大学医学部卒業、順天堂大学大学整形外科医局入局。2005年より順天堂大学麻酔科医局入局し、ペインクリニックで整形外科関連の痛みに関する治療を学び、麻酔科標榜医取得。



