ワキガ・体臭にまつわる“よくある誤解”
「もしかして私、におってる…?」
そんな不安を抱えて調べてみると、ネットやSNSにはさまざまな情報があふれていますよね。けれど、その中には誤解や思い込みも少なくありません。正しいケアをするためには、まずは“よくあるウワサ”を正しく理解することが大切です。
今回は、ワキガや体臭に関する代表的な誤解を5つ取り上げて、分かりやすく解説します。
① 汗をかくほどニオイが強くなる?
誤解されがちですが、「汗=ニオイ」ではありません。
人の汗には大きく2種類あります。ほとんどが水分でサラサラしており基本的に無臭なのがエクリン腺の汗。脂質やたんぱく質を多く含み、皮膚の常在菌によって分解されるとニオイが発生する汗がアポクリン腺の汗。汗そのものというよりも「汗をかいた後の肌環境」によってニオイが左右されます。
② ワキガは不潔だから起こる?
ワキガは“体質”によるもの。衛生状態だけの問題ではありません。
ワキガの主な原因は、アポクリン腺の発達具合と皮膚常在菌の関係。これは遺伝的な要素が強く、生活習慣や清潔さだけで完全に防げるものではありません。
ただし、「不潔にしているとニオイが悪化する」ことは事実です。
③ 毎日お風呂に入っていれば体臭はしない?
入浴は大切ですが、それだけで体臭を完全に防げるわけではありません。
たしかに毎日しっかり体を洗うことで、皮脂や汗、雑菌を取り除くことはできます。ですが、「体臭」の正体はそれだけではありません。
以下のような要因も、ニオイの原因になります。
- 食生活の乱れ(脂っこいもの、にんにくなど)
- ストレスやホルモンバランスの変化
- 加齢や生活リズムの乱れによる皮脂の質の変化
- 服や寝具、タオルなどの雑菌の残留
内側からのケア(食事・睡眠・ストレス対策)と、身の回りの衛生管理もセットで見直すことも大切です。
④ 冬は体臭の心配はいらない?
実は、冬でも体臭は発生します。季節に関係なく対策は必要です。
「汗=夏」というイメージがあるため、寒い季節は体臭の心配がないと思われがちです。しかし実際には、冬ならではの“隠れ体臭リスク”が存在します。
冬に体臭が発生しやすい理由:
- 厚着によるムレやすさ
→ とくにワキや足元は湿気がこもり、雑菌が繁殖しやすい環境に。 - 汗をかいても気づきにくい
→ 寒いと感じても、意外とインナーやブーツの中は汗ばんでいることも。 - 乾燥による皮脂バランスの乱れ
→ 肌が乾燥しすぎると皮脂が酸化しやすくなり、においの原因になることも。
つまり、冬こそ「保湿」「通気」「清潔」のケアも大切です。
⑤ ワキガは手術しないと治らない?
確かに「根本治療」は手術ですが、それだけが選択肢ではありません。
ワキガの手術(アポクリン腺の除去)は効果が高い一方で、ダウンタイムや再発リスクもあります。そのため、まずはセルフケアや外用薬、デオドラント製品での対策が第一歩です。最近では、医薬部外品のデオドラントクリームや洗浄料も高機能化しています。自分のライフスタイルに合った方法で、無理なく続けられるケアを選びましょう。
ウワサに惑わされず、自分に合ったケアを
ニオイに関する悩みは、とてもデリケートなもの。でも、誤解に振り回されると、かえって不安が大きくなってしまいます。
正しい情報を知ることで、ニオイ対策はもっと前向きに、そして自信を持って取り組めます。自分の体質や生活に合ったケア方法を見つけて、心地よい毎日を過ごしましょう。
※ご注意 本記事は、生活習慣に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の医療的効果や症状の改善を保証するものではありません。内容のご利用にあたっては、あらかじめご了承ください。
美容皮膚科・美容外科医
1999年東海大学医学部卒業、順天堂大学大学整形外科医局入局。2005年より順天堂大学麻酔科医局入局し、ペインクリニックで整形外科関連の痛みに関する治療を学び、麻酔科標榜医取得。






