舌ブラシで口臭ケアを習慣化
― “息の清潔感”は、舌からはじまる ―
朝の会話やマスクを外した瞬間に、ふと気になる“口のニオイ”。歯を磨いているのに、なんとなく口臭が残る。その原因の多くが、舌の汚れ「舌苔(ぜったい)」にあるといわれています。今回は、毎日のケアに取り入れたい「舌ブラシ習慣」について、美容誌的にやさしく、詳しく解説します。
なぜ舌が口臭の原因になるの?
舌の表面にたまる“舌苔”が、ニオイの温床に
舌の表面には細かな凸凹があり、そこに食べカス・細菌・古い細胞などが蓄積します。これが白っぽく見える“舌苔(ぜったい)”。
舌苔は、口内の常在菌が分解・発酵することで硫黄系のガスを発生させ、いわゆる「生ごみのようなニオイ」「卵が腐ったようなニオイ」の原因になります。特に朝起きたときは、唾液の分泌が減って細菌が増えているため、舌の汚れが口臭に直結しやすいタイミングです。
舌ブラシで得られるメリット
“磨く”というより、“整える”感覚で
舌ブラシを使うと、舌苔をやさしく除去し、口内の菌バランスを清潔に保つことができます。
歯ブラシよりも舌の表面を傷つけにくく、毎日の歯みがきと同じタイミングで取り入れるだけで、息の清潔感とすっきり感をキープできます。さらに、口臭予防だけでなく、舌の血流が良くなることで味覚の改善や唾液分泌のサポートにもつながります。
正しい舌ブラシの使い方
“力を入れず、奥から手前へ”が基本
STEP.1 舌を軽く出す
無理に突き出さず、自然に口を開けて舌の先を少し出します。
STEP.2 ブラシを舌の奥にあてる
力を入れず、やさしく奥から手前に一方向に動かします。往復させると刺激が強く、傷つける原因に。
STEP.3 1〜3回を目安に
数回なでるだけで十分。やりすぎは逆効果です。
STEP.4 使用後はしっかり洗う
ブラシ部分を流水でよく洗い、乾燥させて清潔を保ちましょう。
毎日行うなら「朝の歯みがき前」が理想。
口内が乾燥している就寝後は、細菌が増えやすいため、朝のリセットが大切です。
舌ブラシ選びのコツ
素材と形状で、使い心地が変わる
・やわらかいシリコン素材:刺激が少なく、初心者にもおすすめ。
・ヘラ型タイプ:広範囲をなでるようにケアできる。
・ブラシ型タイプ:細かい凹凸にフィットし、汚れをやさしく除去。
「強くこするほど落ちる」と思いがちですが、実はやさしくなでることが一番効果的。やさしさ重視で選ぶのが、美しい息への近道です。
舌ケアを続けるための習慣化ポイント
歯みがきと同じ「ルーティン化」が鍵
舌ブラシは、使い始めのうちは“ひと手間”に感じるかもしれません。しかし、歯みがきのついでに1分加えるだけで、朝の口内の不快感がぐっと軽くなります。
続けるほどに、口の中の「すっきり感」や「におわない安心感」を実感できるはず。毎日のケアの中で、自然に取り入れていきましょう。
※ご注意 本記事は、生活習慣に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の医療的効果や症状の改善を保証するものではありません。内容のご利用にあたっては、あらかじめご了承ください。
美容皮膚科・美容外科医
1999年東海大学医学部卒業、順天堂大学大学整形外科医局入局。2005年より順天堂大学麻酔科医局入局し、ペインクリニックで整形外科関連の痛みに関する治療を学び、麻酔科標榜医取得。







