皮膚常在菌と体臭の関係
「しっかり汗を拭いているのにニオイが気になる…」そんな経験、ありませんか?
実は体臭の原因のひとつに、「皮膚常在菌」と呼ばれる菌たちが深く関わっています。この記事では、皮膚常在菌とは何か、体臭との関係、そして上手に付き合う方法について詳しく解説します。
そもそも皮膚常在菌とは?
私たちの皮膚には、目に見えないたくさんの菌がすんでいます。これが「皮膚常在菌(ひふじょうざいきん)」と呼ばれるもの。彼らは、私たちの肌を守る大切なパートナーでもあります。
主な皮膚常在菌の種類と役割
- 表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)
肌のバリア機能をサポートし、悪い菌の繁殖を防ぐ - アクネ菌(Cutibacterium acnes)
皮脂を分解して、皮膚を弱酸性に保つ(ただし過剰に増えるとニキビ原因に) - 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
増えすぎると炎症や肌トラブルのもとに
このように、常在菌は「善玉・悪玉」と一概に分けられず、バランスが大切なのです。
常在菌が体臭に関わる仕組み

では、なぜ常在菌が体臭に関係するのでしょうか?実は、汗そのものはほとんど無臭。ニオイのもとは、汗や皮脂を常在菌が分解するときに発生するガス(揮発性脂肪酸など)なのです。
体臭が強くなるメカニズム
1.汗腺から出た汗や皮脂を常在菌が分解
2.分解の過程で、におい成分が発生
3.分泌が多かったり、菌バランスが崩れたりすると、ニオイが強く感じられる
特にアポクリン腺から出る汗(ワキやデリケートゾーンに多い)は、脂質やタンパク質が豊富なため、菌のエサになりやすく、強いニオイを発生させやすいです。
皮膚常在菌と上手に付き合うには?

体臭をおさえるには、菌を「全滅」させるのではなく、良いバランスを保つことが大切です。
ケアのポイント
- 洗いすぎない
殺菌力の強い石けんでゴシゴシ洗うと、善玉菌まで流してしまう - 通気性のよい服を選ぶ
ムレを防ぎ、菌の繁殖を抑える - 汗をかいたらこまめにふく・着替える
菌のエサ(汗・皮脂)を肌に残さないことがポイント
皮膚常在菌は、体臭の「敵」ではなく「関係者」。善玉菌を活かし、悪玉菌が増えすぎないようにコントロールすることで、体臭はぐっと軽減できます。
「ニオイが気になるからといって洗いすぎ」は逆効果になることも。やさしく、ていねいに、自分の肌と向き合っていきましょう。
※ご注意 本記事は、生活習慣に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の医療的効果や症状の改善を保証するものではありません。内容のご利用にあたっては、あらかじめご了承ください。
美容皮膚科・美容外科医
1999年東海大学医学部卒業、順天堂大学大学整形外科医局入局。2005年より順天堂大学麻酔科医局入局し、ペインクリニックで整形外科関連の痛みに関する治療を学び、麻酔科標榜医取得。







