冬の“朝シャワー習慣”が、実はニオイを招く落とし穴
寒い冬の朝。ぬるま湯のシャワーを浴びて目を覚ます──そんな“朝シャワー派”の人も多いのではないでしょうか。
でも実はその習慣、清潔なようで「ニオイの原因」を残してしまっているかもしれません。
冬に「朝シャワーだけ」では落としきれない!?
一日の終わり、私たちの肌には、目には見えない皮脂・汗・ほこりが重なっています。夜の間も体温によって皮脂は酸化しやすく、朝にはその酸化皮脂が独特のニオイを発することも。つまり、「夜にしっかり洗い流すかどうか」が、翌日の清潔感を左右しているのです。夜のケアを怠ってしまうと、肌の上に酸化した皮脂が残り、朝にはそれが体臭やワキガ臭を強める引き金になってしまいます。
さらに、冬は意外と“寝汗”が多い季節。暖房のきいた部屋や厚い布団の中で、気づかぬうちに体温が上がり、じんわりと汗をかいています。この寝汗を流さないまま朝を迎えると、汗に含まれる塩分や老廃物が肌に残り、菌の繁殖を助けてしまうのです。これが、朝起きたときのなんとも言えない「こもったニオイ」の正体。
そして、多くの“朝シャワー派”が陥りやすいのが、「洗う」つもりでいて、実はただ“流している”だけということ。忙しい朝は時間に追われ、泡立てずにさっと流すだけの簡易ケアで終わらせてしまいがちです。それでは皮脂や汚れが十分に落ちず、清潔感を保つには不十分。むしろ、夜に蓄積した酸化皮脂を残したまま1日をスタートしてしまうことにもなりかねません。
冬の正解は「夜ケア」中心の入浴習慣

夜こそが、肌と体を“リセット”する時間。
1日の汚れを丁寧に落とし、すこやかな肌を整えることで、朝の爽快感も清潔感も格段に変わっていきます。
ぬるめの湯で、じっくりリセット
38〜40℃のぬるま湯にゆっくり浸かることで、皮脂汚れをやさしく浮かせ、血行を促進。体の芯から温めることで代謝も上がり、老廃物の排出がスムーズになります。
ボディウォッシュは“洗浄力と保湿”のバランスを
冬の肌は乾燥しがち。刺激の強い石けんで洗うとバリア機能を壊してしまいます。
弱酸性で保湿成分を含むボディソープを選び、やさしく泡で包み込むように洗うのがポイント。
入浴後の保湿も忘れずに
清潔にした肌は乾燥しやすい状態。お風呂上がり3分以内にボディクリームをなじませて、うるおいを閉じ込めましょう。保湿は“ニオイの予防ケア”にもつながります。

冬のニオイケアは「朝より夜」がカギ。1日の汚れや酸化皮脂を夜にしっかりオフし、清潔な肌で眠ることで、翌朝の爽やかさが違ってきます。“夜のケア”を習慣にすれば、冬でも心地よい清潔感をまとうことができます。
どうしても朝にシャワーを浴びたい人は、夜にしっかり洗って、朝はリフレッシュ目的に。ぬるめの湯で軽く汗を流すだけに留めると、肌への負担を抑えながらすっきり過ごせます。
※ご注意 本記事は、生活習慣に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の医療的効果や症状の改善を保証するものではありません。内容のご利用にあたっては、あらかじめご了承ください。
美容皮膚科・美容外科医
1999年東海大学医学部卒業、順天堂大学大学整形外科医局入局。2005年より順天堂大学麻酔科医局入局し、ペインクリニックで整形外科関連の痛みに関する治療を学び、麻酔科標榜医取得。





