DEOLIFE JOURNAL 気になるニオイ、解決のヒント集

40代からの頭皮ニオイケア

― 年齢とともに変わる“頭皮環境”に寄り添う ―

「夕方になると、なんとなく髪がベタつく」
「シャンプーしても、すぐにニオイが戻る気がする」

そんな変化を感じたら、それは頭皮環境のゆらぎサインかもしれません。年齢を重ねると、肌と同じように頭皮にも“乾燥・皮脂・酸化”といったトラブルが起こりやすくなります。
今回は、40代から意識したい頭皮のニオイケアについて、美容誌的にやさしく解説します。


頭皮のニオイが強くなる理由

ホルモンバランスと皮脂分泌の変化が関係

40代に入ると、女性ホルモンの分泌がゆるやかに減少します。その結果、頭皮のうるおいを保つ力が弱まり、乾燥しやすくなる一方で、バリア機能を守ろうとして皮脂の分泌が増えるという逆転現象が起こることも。

この皮脂が空気に触れて酸化し、常在菌と混ざることで、「脂っぽいニオイ」「生乾きのようなニオイ」を発生させます。

さらに、ターンオーバーの遅れや血行不良によって古い角質が残りやすくなり、それが菌の温床となってニオイを強めてしまうのです。


シャンプーだけでは防ぎきれない

“洗いすぎ”も“落とし残し”も、ニオイの原因に

頭皮のニオイ対策というと、「とにかくしっかり洗う!」という人も多いでしょう。ですが、40代以降の頭皮は敏感になりやすく、強い洗浄力のシャンプーを使うと必要な皮脂まで取りすぎてしまいます。

皮脂を失った頭皮は、乾燥を防ごうとしてさらに皮脂を出そうとし、結果としてベタつきとニオイが悪化することも。

また、スタイリング剤やトリートメントの“すすぎ残し”も、酸化臭のもとになります。大切なのは、「洗いすぎず、残さず、うるおいを守る」こと。このバランスが、40代の頭皮ケアのカギです。


今日からできる!頭皮ニオイケアの基本ステップ

1. シャンプー前の“予洗い”で7割オフ

お湯だけで頭皮全体を1分以上しっかり流すと、汚れや皮脂の約7割はこの段階で落ちます。ぬるめ(38〜40℃)のお湯を使い、指の腹で地肌をマッサージするように流しましょう。

2. 弱酸性シャンプーでやさしく洗う

頭皮のpHバランスを保ちつつ、泡で包み込むように洗うのがポイント。ゴシゴシこすらず、“ふわっと泡をなでる”イメージで。

3. ドライヤーは“根元から”短時間で

濡れたまま放置すると、菌が繁殖しやすくニオイの原因に。タオルドライでしっかり水分を取ってから、地肌を中心に乾かします。

4. 頭皮美容液でうるおい補給

加齢で失われやすい水分を補い、皮脂バランスを整えます。抗酸化成分や植物由来の保湿成分を含むものがおすすめです。

内側から整えるケアも大切

食事・睡眠・ストレスケアで頭皮環境をサポート

頭皮は、体調や生活習慣の影響を受けやすい場所。脂っこい食事や寝不足、ストレスは皮脂バランスの乱れを引き起こします。

ビタミンB群、亜鉛、オメガ3脂肪酸などを含む食材を意識的にとり入れ、良質な睡眠とリラックスタイムで“内側からのケア”も意識しましょう。


香りで隠すのではなく、根本から整える

40代からは“育てる頭皮ケア”へ

香りでごまかすケアではなく、“ニオイのもとを生まない環境”をつくることがこれからの新常識。毎日のシャンプーやドライの仕方を少し見直すだけで、頭皮は確実に変わっていきます。


年齢とともに変化する頭皮には、肌と同じようなやさしさが必要です。

過剰に洗いすぎず、うるおいを守りながら“清潔な土台”を育てる。それが、ニオイだけでなく髪のツヤやハリを支える近道です。40代からの頭皮ケアは、「隠す」から「育てる」へ。今日から、心地よい清潔感を取り戻していきましょう。

※ご注意 本記事は、生活習慣に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の医療的効果や症状の改善を保証するものではありません。内容のご利用にあたっては、あらかじめご了承ください。

編集 ソシアス 美緒先生

美容皮膚科・美容外科医

1999年東海大学医学部卒業、順天堂大学大学整形外科医局入局。2005年より順天堂大学麻酔科医局入局し、ペインクリニックで整形外科関連の痛みに関する治療を学び、麻酔科標榜医取得。

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