冬こそワキガが目立ちやすい！？汗をかかない季節の落とし穴
「汗のニオイ」と聞くと、多くの人が真夏をイメージするのではないでしょうか。ところが実は、冬こそワキガが目立ちやすい季節。寒いのにどうして？と不思議に思う方も多いはずです。その理由を探ってみましょう。
汗の蒸発が遅くなる冬特有の現象
夏は汗がすぐに蒸発して体温を下げますが、湿度の低い冬は蒸発速度が遅め。皮膚表面に長くとどまった汗は、雑菌と混じり合ってニオイを発しやすくなります。さらに乾燥で皮脂バランスが乱れると、酸化した皮脂のニオイも加わり、不快臭が強調されることも。
室内暖房が生む“じんわり汗”
外は冷たい風でも、建物に一歩入るとポカポカの暖房空間。体は急な温度差に対応しきれず、知らないうちにじんわりと汗をかいてしまいます。しかも冬は通気性の悪いニットやアウターを重ね着しているため、汗が衣服の内側にこもりやすい状態。こうして「気づかない汗」が溜まり、ニオイの温床になってしまうのです。
厚着によるムレと菌の繁殖
冬の装いはどうしても重ね着が基本。インナー、セーター、ジャケット…と重ねることで、脇まわりは密閉空間になり、通気がほとんどありません。このムレた環境は、ワキガの原因菌が繁殖するのにぴったり。汗をあまりかいていないつもりでも、洋服の内側ではニオイが育ってしまうのです。
冬のワキガ対策のポイント
- 重ね着した日はインナーをこまめに替える
汗や皮脂を吸った衣類を長時間身につけないことが大切です。 - 暖房の効いた室内に長くいるときは脇汗を意識
あぶらとり紙や汗拭きシートで軽くケアすると清潔感が続きます。 - 通気性のよい素材を選ぶ
ウール100％よりも、天然繊維や機能性インナーを組み合わせるとムレにくく快適。
「汗をかかない冬だから大丈夫」と思っていると、実はその油断こそが落とし穴。
暖房と厚着の季節だからこそ、ワキガは目立ちやすくなるのです。ちょっとした工夫で、冬のニオイ対策はぐっと快適に。見えないところの清潔感が、あなたの印象をさりげなく支えてくれます。
※ご注意 本記事は、生活習慣に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の医療的効果や症状の改善を保証するものではありません。内容のご利用にあたっては、あらかじめご了承ください。
美容皮膚科・美容外科医
1999年東海大学医学部卒業、順天堂大学大学整形外科医局入局。2005年より順天堂大学麻酔科医局入局し、ペインクリニックで整形外科関連の痛みに関する治療を学び、麻酔科標榜医取得。
