ニットやアウターが“ワキガ臭”を蓄積する理由と対策
冬のおしゃれを楽しむために知っておきたいこと
ふんわり温かなニットや、お気に入りのアウター。冬の装いに欠かせないアイテムですが、実はワキガのニオイが移りやすく、落ちにくいのをご存じですか?気づいたときには「洋服そのものがにおっている…」という経験をした方もいるのではないでしょうか。ここでは、その理由とお手入れ方法をご紹介します。
なぜ冬服はニオイが残りやすいの?

1. 厚手で乾きにくい繊維
ニットやアウターは厚みがあり、繊維の奥まで汗や皮脂が染み込みやすい構造です。さらに乾燥しにくいため、繊維の中に雑菌が残りやすく、結果としてニオイが蓄積されやすいのです。
2. 天然素材は“吸い込む力”が強い
ウールやカシミヤなどの天然繊維は、吸湿性に優れている反面、皮脂やニオイ成分まで取り込みやすい性質があります。汗の成分が繊維内部に入り込むと、通常の洗濯では落としきれないことも。
3. アウターは「洗えない」が常識
コートやダウンなどは頻繁に洗濯できず、クリーニングに頼ることが多いアイテム。そのため、一度ついたニオイがシーズン中ずっと残ってしまうケースも少なくありません。
繊維ごとのケア方法

- ウール・カシミヤ
デリケートな天然素材は、摩擦を避けながら陰干しを。消臭スプレーを使うときは繊維を傷めないタイプを選ぶのが安心です。 - 化学繊維(ポリエステル・ナイロンなど)
速乾性がある一方で、皮脂汚れと結びつくと独特のニオイを発しやすい素材。ぬるま湯での浸け置き洗い+中性洗剤を使うと効果的です。 - ダウン・コート類
家庭での洗濯が難しいため、日常的には風通しの良い場所で陰干しを。シーズン終わりには必ず専門のクリーニングでリセットを。
ニオイを防ぐための習慣

- インナーを必ず重ねる
脇汗や皮脂を直接ニットやアウターに移さないために、吸湿性の高いインナーを1枚プラス。これだけで洋服の寿命も変わります。 - 帰宅後すぐに“風通し”ケア
一日着た冬服は、クローゼットにしまう前に数時間ハンガーで陰干し。湿気とともにニオイも軽減されます。 - 消臭・除菌アイテムを味方に
衣類用スプレーやシートを取り入れて、シーズン中の“ニオイリセット”を習慣に。特にアウターは毎日のルーティンにすると快適です。
冬服はあたたかさと引き換えに、ニオイを溜め込みやすいという一面を持っています。繊維ごとの性質を知り、日常のケアを少し工夫するだけで、好きなニットやアウターをもっと長く心地よく楽しむことができます。冬の装いを清潔に、そして自信を持ってまといましょう。
※ご注意 本記事は、生活習慣に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の医療的効果や症状の改善を保証するものではありません。内容のご利用にあたっては、あらかじめご了承ください。
美容皮膚科・美容外科医
1999年東海大学医学部卒業、順天堂大学大学整形外科医局入局。2005年より順天堂大学麻酔科医局入局し、ペインクリニックで整形外科関連の痛みに関する治療を学び、麻酔科標榜医取得。






